AVにおいて、主役はあくまでもAV女優さんであり、私たち監督は彼女たちをいかに魅力的に見せるかに全力を注ぎます。
AVには女優中心の単体物と、「痴漢」や「マッサージ」などの企画を中心にした企画物があり、前者はもちろんですが後者においても、女優さんがどれだけそのシチュエーションでセクシーに見えるかどうかに苦心します。
どれだけ監督が頑張っても、女優さんがよくなければその作品は決して成功しません。監督としては残念な話ではありますが、監督の力量よりも女優さんの資質で作品の出来は左右されるというのが、AVの現実です。それほどAVにおいては女優さんは重要な存在なのです。
女優さんのキャスティングで、その作品の完成度は決まってしまうとまで言われるほどなのです。逆に言えば、その女優さんの魅力をどこまで引き出せるかが、AV監督に求められるスキルなのです。

優れたAV女優さんは二種類のタイプに分けられると思います。
ひとつは本人のキャラクターが飛び抜けて魅力的というタイプです。ルックスはもちろん、キャラクターも人を惹き付ける力を持っている女性で、そういう女優さんの場合、監督としては彼女自身の魅力をいかに強調するかを考えます。例えば胸が大きく美しい女優さんの場合は、そのフォルムやボリューム感、質感などをどうユーザーに伝えられるかに頭を絞ります。この場合は、その女優さんに向いた企画（プレイや設定）を合わせていくのが理想的ですね。
もうひとつは、どんな企画やキャラクターでも見事に演じられてしまうタイプですね。ある作品では清楚な美少女を演じたかと思えば、別の作品では妖艶な淫乱若妻を演じられる、そんなカメレオンのような女優さんです。その演じ分けの見事さには私たちスタッフも驚かされることが多いのです。
前者は単体女優さん、後者は企画単体女優さんに多いのですが、単体女優さんでもキャリアを積んでくると後者のようなスキルも身につけていくようです。

女優さんに撮影の面白さを聞くと、現実では出来ないことを体験できる楽しさだと答える人が多いんですね。
例えば、男性二人を相手にする３Ｐ。同時に二人に責められる快感はすごそうだけれど、プライベートではなかなかそんなシチュエーションに巡り合うことはありません。彼氏が他の男性と一緒にセックスをすることを許すなんて難しいでしょうし、もしそんな状況になったとしても、その後に彼氏との関係が上手くいかなくなってしまう可能性もあります。
出会い系で募集すれば、希望する男性は多いでしょうがそれは危険過ぎます。
しかしAV撮影では３Ｐは定番プレイですし、男優さんも手慣れているので乱暴にされる心配もありません。実際、男優さんたちが３Ｐをしているところを見ているとそのチームワークの見事さに驚かされます。
また意外にオナニーする時の妄想として痴漢やレイプされているところを考える女性も多いようなのですが、もちろん実際にされたいと言う人はほとんどいません。あくまでも安全にそうしたシチュエーションを体験できるという意味ではAV撮影は最適なのかもしれません。
よく面接で「こんなことをしてみたい」と言う女優さんも多いのですが、そうするとそんな撮影の仕事が来るということも多いみたいですよ。私たちとしても、女優さんがのってくれることが一番なので、できるだけ叶えてあげたいですしね。

「自分じゃない女性になれる」ことを面白さにあげる女優さんも多いですね。
女子校生からＯＬ、人妻、果ては潜入捜査官など様々な役を演じるのがAV女優なのですが、そうしたドラマというだけでなく、AV女優としての芸名の自分と、本名の自分を分けて考えている女優さんがほとんどです。
つまり、AV女優としての自分は、本当の自分と別人だと思うことで、普段は出来ないようなことも出来てしまうのです。
いつもは恥ずかしくて自分から男性を愛撫するようなことが出来ない人でも、AV女優としての自分はもっと積極的だと思えば、思い切って出来たりするのです。ある意味で、他人の目を気にしていた自分を解放することが出来るのですね。
実は私たち制作側も、そうした割り切りをしている女優さんの方が思い切りがよくて、仕事がしやすかったりするのです。
繰り返しますが、AV撮影においては女優が主役です。だから私たちは女優さんが一番いい形で実力を発揮できるようにしたいんです。楽しんで仕事をして欲しいですね。

いつもの自分とは違う自分になれる、普通には体験できないことが出来る。AV女優という仕事には、変身願望をかなえてくれるそんな魅力があるのです。
自分の中に眠っているもう一人の自分を解放してみませんか？
AV監督はあなたのそんな体験をバックアップしてくれる存在なのかもしれませんね。